36歳の女性で薬はのんでいないという事なんですが
この先どうしたらよろしいでしょうか?
基本的にやはり薬で下げるという事は
非常に重要になると思うんですが
例えばこの方の場合若い女性ですので
お子さんがこれから欲しいというような場合になりますと
お薬のんでるとお子様に与える影響が
ないとは言い切れないので
そこはちょっと医者と相談して頂いて
治療して頂くという事が必要なんですが
やはり家族性高コレステロール血症の方は
お医者さんと離れてはいけないと。これも非常に重要な事ですので
是非ともそうして頂きたいと…。

代謝内科の医師である斯波真理子さんは
家族性高コレステロール血症の患者さんを多く診療してきました。
その表面には受容体というものがあり
血液中のLDLコレステロールを受け止めて
細胞に取り込みます。
こうしてコレステロールは体内で有効に利用できるようになります。
ところが一部の家族性高コレステロール血症の人では
この仕組みを邪魔するものがあります。
PCSK9というタンパク質です。
PCSK9はLDLコレステロールの代わりに
受容体とくっつきます。
そして受容体を分解してしまうのです。
その結果LDLコレステロールが細胞にうまく取り込まれず
血液中に増えていってしまうのです。
これまでPCSK9の働きを抑えようと
世界中で研究が行われていましたが
いずれも成功していませんでした。
そこで斯波さんはPCSK9がつくられる大本に目を向けました。
PCSK9は細胞の中にある
特定の遺伝子によってつくられています。
家族性高コレステロール血症の人の場合
この遺伝子が働き過ぎてしまい
PCSK9が過剰につくられるのです。
斯波さんはこの遺伝子の働きを抑える手がかりを探していました。
そんな時斯波さんが出会ったのが
ある薬学の研究者でした。
小比賀聡さんは遺伝子に直接結合し
その働きを抑えるBNAという物質を
開発していました。
共同研究の結果BNAをPCSK9の遺伝子に結合させ
その働きをほぼ完全に止める事に成功したのです。
実際に血中のコレステロールが多いマウスに
BNAを与えたところLDLコレステロールの値が
BNAを与えなかったマウスと比べて6週間で43%も低下したのです。
今回の研究の成果によって数年後の近い将来
実際の患者さんに治療を行う臨床研究を始められる見通しです。
寺本さんご覧になって今の研究いかがですか?
家族性高コレステロール血症の患者さんは
なかなかLDL下がりにくいんですよね。
しかも下がっていても動脈硬化が起こってしまうので
より下げたいという事ですので
こういった新しい治療が出てくるのは
家族性高コレステロール血症の患者さんにとって
福音と言えるんじゃないかなと。我々も待っておりました。
そうですか。期待できますね。