まっすぐにはなりましたが
取り去ったとおっしゃる部分が空洞のまま残りやしませんか?
おっしゃるとおり取り出した骨は元に戻しませんから
このように形態的に弱い所ができてしまいます。
ただし手術が終わって2~3か月すると
何もない部分に結合組織という肉が上がってきて
十分骨の代わりに機能します。
そうしますとまっすぐになりました。
これで処置は終わりという事でしょうか?
この図を比べて頂くと分かるんですが
曲がりを治した事で
相対的に左側の鼻腔が手術前より狭くなる訳ですね。
ですから左右のバランスを保つために
ここにある鼻甲介です。
これで言うと鼻甲介という所の青い部分を少し削って
それで左右の通りのバランスをとるようにします。
これで言うとここの通りもよくなる。
左右同じようにですね。
ただこの骨の所をずらしたりしますと
やっぱり手術直後あんまり安定しないような気がしますよね。
そのとおりでそれを安定させるために
実はこういうシリコンのプレートですね。
厚さが1mmのこういうシリコンの膜を
こういうふうに折って鼻の中に入れて
左右から糸で縫い付けちゃうんですね。
これで形を安定させます。
それが鼻の中に入ったまましばらく…なんですよね。
それって苦しくないんでしょうか?
入れてる期間が大体1~2週間です。
ですからその間は鼻つまり感とか違和感当然ありますが
少しの間ですので患者さんにはちょっと辛抱して頂きます。
この手術は何歳ぐらいから受けられますか?
鼻中隔湾曲症が完了して18歳ですね。
顔面の骨の発育も18歳ぐらいに完了しますので
それ以降という形になります。
大人になって以降の手術と考えればいいですね。
小さい子どもさんにはこういう事はしないんですよね。
それにしても冒頭の窪田さんのすっきりした顔を
思い出しますがこの手術はかなり効果が出そうですね。
この手術を受けた患者さんは大抵は鼻つまりが改善して
「すっきりした」というふうにおっしゃって頂いてます。
慢性副鼻腔炎も
同時に治ってしまうと考えていいですか?
慢性副鼻腔炎の手術も同時に行う事が多いので
鼻つまり以外にも例えばにおいが分からないとか
鼻水が多いとかそういった症状も
同時によくなる事が多いと考えています。
きょうは鼻中隔湾曲症の手術について伺ってきましたが
この治療を受けてみようかと思う方に
どんなメッセージをあげましょうか?
鼻つまりというのは
例えばつまってくると集中力が低下するとか
最近では睡眠の質が落ちるといわれているんですね。
寝づらいと昼間が元気になれません。
ですから鼻つまりがあって悩んでいる患者さんに
思い切って耳鼻科を是非受診して頂きたいと考えています。
相談してみられるといいですよね。
鼻中隔湾曲症の手術
