スポンサーリンク

糖尿病の病態

スポンサーリンク

Aさんは肥満はしていません。
そしてAさんはスルホニル尿素薬を使っていましたが、最近あまり効かなくなり、HbA1cが7.5%まで上がってしまいました。
そこでインクレチン関連薬であるDPP-4阻害薬を、一緒に使う事にしました。
その結果HbA1cは、6.7%に下がったんです。
Aさんという女性2つの薬を使われましたね。
十分に血糖値は下がったように見えますが、どういうふうに働いたんでしょうね?
Aさんの場合には肥満がありませんので、Aさんの糖尿病の原因として主に、すい臓からのインスリン分泌が障害されている事が予想されます。
従って当初スルホニル尿素薬を使った訳ですが、これでは十分に血糖値がコントロールできなかったという事で、DPP-4阻害薬が併用されました。
この2つの薬は同じインスリン分泌促進薬ですが、作用機序が違うという事。
それからDPP-4阻害薬は更にグルカゴン分泌を抑えるといった、尿素薬にない作用を持つ事から相加的に働いて、十分に血糖値を下げる事ができたと考えられます。
Aさんという女性のケースでした。
それではもう一つケースをご紹介しましょう。
久田さん。
次はBさんですね。
Bさんは肥満があります。
食事に気を付けているのですがつい食べ過ぎてしまうんですね。
Bさんはインスリン抵抗性改善薬を使っていたんですが、HbA1cは8.0%までしか下がりませんでした。
そこでスルホニル尿素薬を追加したところ、7.0%に下がりました。
ところがしばらくすると、体重が更に増え血糖もまた上がり始めてしまったんです。
そこでスルホニル尿素薬を中止し、インクレチン関連薬の一つ、GLP-1受容体作動薬を使いました。
その結果HbA1cは6.7%まで下がりました。
しかも食べ過ぎが無くなり体重も減ったという事なんです。
さあBさんという男性のケースでした。
結果的にはよく血糖の値が下がったという事になりますが、3種類のお薬が登場致しましたね。
この背景ご説明頂けますか?
Bさんの場合には肥満がありますから、糖尿病の病態としては、インスリン抵抗性が主体である事が予想されます。
このBさんの場合は従って、最初にインスリン抵抗性改善薬が使われた訳ですが、それでも血糖のコントロールが十分ではなかったという事で、今度はインスリン分泌促進薬である、スルホニル尿素薬を追加して使用されました。
一旦はHbA1cが7.0まで下がったんですけれども、しかし体重が少し増えてきて、そして血糖値のコントロールが悪くなってきたという事で、スルホニル尿素薬に替えて、今度はGLP-1受容体作動薬が使われたという事になります。
やめてこちらにしたんですね。
GLP-1受容体作動薬はスルホニル尿素薬よりも、インスリン分泌作用が強いという事。
それからグルカゴン分泌を抑える作用がある事。