腹腔鏡手術とICG
腹腔鏡は周りの臓器が見にくいという欠点がある訳ですけど、腹腔鏡でも周りの臓器の位置関係を見やすくする技術が開発されてきています。
そのひとつがICGという、もともと肝臓の機能の検査で使われていた薬ですけれども、これを少量手術前に患者さんに注射して手術を行うという方法です。
これによって胆嚢や胆管を光らせて手術をする事ができます。
通常のカラー像ではどこまでが胆嚢か、なかなか見にくいのではないかなと思います。
ICGを使って造影しますと、胆汁中のICGが蛍光を発しますから、傷つけてはいけない胆管が白く光りますし、つながりから胆嚢がある事が分かるので、画像を適宜切り替えて手術をする事で、どの場所で胆嚢を切り離せばいいのかという事がより分かりやすいのではないかと考えています。
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ICGを使った胆嚢の腹腔鏡手術法は普及しているのか?
まだこの方法で手術をしているところは非常に少ないのですけれども、通常行われている放射線を使った胆管の造影法に比べると被ばくもありませんので、今後普及していく事が期待されている技術です。
胆嚢ポリープの種類に応じてしっかり治療する事が大切
コレステロールポリープという場合は、はっきり分かれば良性で大丈夫です。
そのほかの2つについては区別しにくいという事、そしてがんになる可能性があるという事で経過を観察していく。
特に大きさですが1cm以上のものは、要注意という事ですね。
改めてですけれども、胆嚢ポリープ放っておかずにきちんと調べるという事が、大切なんです。
現在は胆嚢ポリープ、胆嚢がんの診断法、手術法は非常に進歩してますので、仮に胆嚢ポリープが見つかっても怖がる必要はありません。
ただむやみに放ったらかしにしないで、胆嚢ポリープの種類に応じてしっかりと経過観察あるいは治療する事が大切だと思います。