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アルツハイマー病

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5年ほど前にアルツハイマー病と診断されました。
重度の認知機能障害があり
日常生活に支障を来すようになっています。
(スタッフ)鏡ここ。どこ?
鏡ここ映ってるやん。ここ。ここに映ってるの鏡。
ターサンこれやん。ターサン上上。これこれ。
見えにくい?ここ。違う。ここやで。
ターサンこれ!どれ?前。
目の前にある鏡もうまく認識できません。
ところが…。
(一同)アンコール!アンコール!アンコール!
ターサンをとびっきり輝かせるものがあります。
(手拍子)
歌です。
十八番は1970年代のフォークソングかぐや姫です。
・「春になればさがり梅の」
ターサンの歌は施設で暮らす女性たちにも大人気。
・「明日天気になあれ」
(歓声と拍手)
・せ~の!
(拍手)
北倉さんの症状が悪化したのは去年2月。
当時独り暮らしをしていた家の近所を徘徊し
寒空の下迷子になってしまいました。
夜が明けて北倉さんを警察が保護。
連絡を受けた地域包括支援センターの職員が自宅に駆けつけました。
認知症の症状が進んでいたため
デイサービスに通う事が決まった北倉さん。
そこで音楽好きの介護スタッフ
中村隆さんと出会ったのです。
ある日中村さんがギターを演奏した時の事でした。
突然北倉さんが歌い始めたのです。
この出会いが北倉さんに大きな変化をもたらしました。
中村さんの呼びかけでターサンをボーカルにしたバンド
TASAN’Sが結成されました。
活動が始まってからターサンが不安を訴えたり
徘徊するような症状は見られなくなりました。
・「おやすみ」
起きろ!
寝てた。(笑い声)
(スタッフ)自信つきます?やっぱり。
(ターサン)今から歌います。(拍手)
そしてついに初ライブまで実現しました。
・「めでたいめでたい鯛のお頭付」
大好きな歌そして仲間。
・「飲め飲め花嫁さん」
・「ニッコリ笑う」
ターサンの表情は自信で満ちあふれています。
(手拍子)
せ~の!
この日ターサンは誰よりも輝いていました。
(拍手)
笑顔がすてきですよね。歌詞はちゃんと覚えてますね。
自分の好きな歌であれほどになるというのは
沖田さんどうなんですか?ああいうふうに
視空間を認識できないといろいろな障害が
実は生活の中で出てくるのでできない事にばっかり
目を向けてしまいがちだと思うんですけど
彼のようにやりたい事が見つかっていくと
非常に不安だったところから
いい笑顔が出てくる事があるんですよね。