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急性骨髄性白血病の治療 造血幹細胞移植

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では治療のもう一つの柱を伺います。
造血幹細胞移植これをご説明下さい。
造血幹細胞移植はよく行われるものに
骨髄移植とさい帯血移植なるものがあります。
これは移植する我々が欲しい細胞は
造血のもとになる造血幹細胞なのですが
それが多く含まれる骨髄を
ドナーさんの骨盤の骨から針を刺して採取します。
もしくはさい帯血
お母さんと赤ちゃんの間をつなぐへその緒の中の血液細胞ですが
この中にも多くの移植にとって必要なだけの
造血幹細胞が含まれる事が分かっています。
このほかにもドナーさんに
白血球を増やすG-CSFという薬剤を投与して
白血球が増えてくるのですが
同時に造血幹細胞が
通常は血液中には少ないのですが
移植にとって必要なだけの幹細胞を採る事ができて
それを移植に使う方法も行われています。
移植は型が合わないと不可能だとよく聞きますが
何が合わなければいけないのですか?
一般的に血液型というのは当然有名ですけれども
移植の世界では白血球型とでもいいます
HLAというものを合わす必要があります。
通常はHLAの中でも6種類を
例えば骨髄であるとか末しょう血健常者のドナーさんからもらう時は
6個のうちの6個一致させる必要があって
これはきょうだい間で3/3の確率でしか合いません。
最近はどうしてもきょうだいが減ってきているので
ドナーさんの確保も難しくなって
一旦きょうだいでない方々にドナーを求めるとすると
数百人から数万人に1人
これもHLAのタイプによって違いますが合うとされますので
逆に数十万のドナープールを確保しておくと
いつでも見つかるというのが骨髄バンクの考え方です。
さい帯血に関しては
赤ちゃんの細胞という事もありとされますがHLAが
6個のうち2個ぐらいまでは合っていなくても
移植が可能とされますので
現在日本人の成人でも90%以上の患者さんに
さい帯血移植を提供する事ができるとされていますが
さい帯血の場合今度はどうしても細胞数が限られているので
患者さんの体重当たりの細胞数は重要なファクターになるので
それが確保できるかどうかがさい帯血の問題にはなります。
ではいずれかの方法で移植という事になった場合
その前にどんな処置が行われますか?
移植を行う前はこれは骨髄移植の基本ですが
骨髄機能造血細胞を破壊する
もしくは体内に残っているであろう
白血病細胞を完全に死なせてしまうだけの
大量の抗がん剤とか放射線を
事前に移植前処置として投与致します。
そのあとに造血幹細胞を
点滴で移植する輸注して
約3週間ほどたつと
ドナーさん由来の正常な血液細胞が増えてくるので
それで白血病を治そうとするのが移植の考え方です。