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人工弁には機械弁と生体弁

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人工弁のお話が出ましたので実際に今日お持ち頂きました。
これを拝見しながらご説明して頂きましょう。
人工弁には機械弁と生体弁がございます。
こういうふうに弁は開いていますが、閉じる時はこういうふうに閉じます。
閉じたり開いたりしてますね。
サイズはいろいろございます。
一方生体弁は軟らかい牛の心膜で出来ていますので、開いたり閉じたりはこういうふうに…。
あ~いかにも弁という感じが致します。
私たちが弁置換するのは、この白い縫い代を縫い付けるという事で、ご自分の元あった弁の位置に人工弁を置換します。
機械弁それからこうした生体の弁それぞれ、耐久性等はいかがですか?
機械弁は耐久性は非常によろしいです。
30年以上耐久性があるといわれています。
ただ先ほどの動きでご紹介しましたように、この部分に血栓がついたりする。
それが問題となります。
そのため血液を固まりにくくする薬を、一生厳重にコントロールして服用する必要があります。
コントロールが悪いと出血するリスクが出てまいります。
一方生体弁の方は若干耐久性は落ちて、10年から15年で劣化が始まります。
そのために再手術が必要となる事がありますが、この場合その間薬の必要はありません。
先ほどの抗凝固剤が不要ですので生活の上では、大きなメリットがあると思います。
そういった特徴があるんですね。
ほかにも心臓弁膜症治療法は登場しておりますでしょうか?
今年の後半に恐らく承認される、カテーテルを用いた大動脈弁の置換術というものがございます。
これは脚の付け根からカテーテルで折り畳んだ人工弁を、大動脈の位置に持っていきましてそこで風船を膨らませて、元あった大動脈弁を取る事なくその中にバネで広げるように、人工弁を置いてくるというもので心臓動いたまま手術をします。
心臓は切り開かないという?
そうです。
胸も切り開きません。
だから人工心肺を用いませんので体への負担は、極めて少なくて済みます。
人工心肺の手術に耐えられない高齢の大動脈弁狭さくの人には、この治療法は大変適したものと言えると思います。
先ほどの生体弁の方は10年から15年で劣化してくると。
再手術が必要になった場合も…。
この術式で、再手術が可能になるという時代がまもなくやって来ると。
欧米では多くの手術が既に実施されています。
カテーテルでこんなすごい事ができるんですね。