入院しておよそ3週間、インスリンの治療で血糖は下がりました。
その後インスリンはやめて、飲み薬による治療に戻り退院したんです。
薬は2種類だけになりまた量も減りました。
HbA1cも6%台に下がっています。
このDさん実は、荒木さんが治療に当たられた患者さんなんですね。
うちの病院で治療させて頂いた患者さんです。
HbA1cが最初10.2%高い印象がありますが、糖尿病はどういう状態だったんでしょう?
実際にはDさんはインスリン分泌が極端に減っている状況ではなく、インスリン分泌はむしろ保たれている状況でした。
しかしながら慢性に血糖値が高い状態が続きますと、糖毒性が起こってまいります。
糖毒性それはどういう事でしょうか?
糖尿病はインスリン分泌の障害とインスリン抵抗性で起こります。
血糖値が高くなってまいりますと高血糖そのものが、インスリン分泌を低下させ抵抗性を増強させます。
そうすると更に血糖値が悪くなってくるという事で、悪循環が起こってまいります。
ぐるぐる回るんですね。
インスリンを使って強力に高血糖を改善してあげると、高血糖によるインスリン抵抗性、高血糖によるインスリン分泌低下が改善されるという事で、糖尿病の状態が非常に治療しやすい状態になります。
インスリンを使ってぐっとこの状態を改善してやると、こうした悪循環が解消されるという事でございますね。
さてDさんはその結果改善しましたですね。
こちらその推移を示すグラフですが。
Dさんは治療前のHbA1cは10.2%でした。
そして約3週間のインスリン治療を行ったあと、飲み薬に戻したんですね。
3種類が2種類になりました。
それでもHbA1cは9.17.97.1と下がってきて、そして少量のお薬で6.9%以下を維持する事ができた。
そういった状態になっておられます。
これはインスリン治療を短期間行った事によって、すい臓そのものを休憩できたという感じを受けるんですが、いいですか?
すい臓からのインスリン分泌を、休ませる事が期待できますし、こういった治療を行いますと場合によっては、糖尿病の治療薬を中止する事も可能な場合もあります。
なるほどこれはすばらしいですね。
最近注目のインスリンの早期導入のケースをご紹介致しました。
さてそれではインスリン治療について、さまざま伺ってまいりましたがポイントをまとめて頂けますか?
冒頭でご紹介頂きましたCさんのように、インスリン治療について抵抗感がある方が、まだかなりいらっしゃる事は事実です。
インスリンを使う事で、すい臓のインスリン分泌を休ませる事ができます。
従って早期にインスリンを使う事によって、インスリンの分泌障害の状態をストップさせる事ができる。
あるいは進行を遅くする事が期待できます。
従って早期のインスリン導入という事は、糖尿病の長い病気の中で非常に有効性がある治療法の一つと、考える事ができると思います。