乳がんの治療 ホルモン剤と分子標的治療薬と抗がん剤

続いてＢさんのようなタイプ見ていきましょう。
ホルモン受容体はありです。ＨＥＲ２タンパクはなし。
そしてＫｉ－６７が高いというタイプは
ルミナールＢ型です。
ルミナールＢ型はルミナールＡ型と似ているんですけれども
違うところはここです。Ｋｉ－６７が高いという事で
増殖の活性が高いという事になりますから
これはホルモン剤と更に抗がん剤をやる事が
有効という事になります。
続いてＣさんのようなタイプです。
ホルモン受容体はなし。ＨＥＲ２タンパクもなしという事で
これはトリプルネガティブ型と呼ばれます。
トリプルネガティブ型の乳がんは
ホルモン受容体もない。ＨＥＲ２もありませんので
ホルモン剤と分子標的治療薬が使えません。
逆に増殖活性は
トリプルネガティブ型というのは一般的に非常に高いものですから
抗がん剤を中心に治療を行っていきます。
続いてＤさんのようなタイプ見ていきましょう。
Ｄさんのタイプはホルモン受容体がありＨＥＲ２タンパクありというタイプです。
これはルミナールＨＥＲ２型です。
このルミナールＨＥＲ２型は今ご説明をした
ホルモン剤抗がん剤分子標的治療薬これらが全て有効なタイプです。
ですからこの３剤をうまく組み合わせて治療をする。
これが大切になる訳ですね。
最後にＥさんのような場合です。
ホルモン受容体なしＨＥＲ２タンパクありという事で
ＨＥＲ２型になります。
このＨＥＲ２型はホルモン受容体がありませんので
ホルモン療法は効きません。
逆にＨＥＲ２タンパクはありますので分子標的治療薬が大変有効です。
更に抗がん剤と併用する事で効果は高まりますので
この２つをうまく使って治療する事が大切になる訳です。
いわば乳がんのタイプ個性に合わせた
薬の使い方のような印象を受けましたが。
例えばルミナールＡ型の方ホルモン剤が有効になっていますが
この方に抗がん剤治療を行った場合
どういう事になるんですか？
これはＫｉ－６７が低いので
抗がん剤をやってもあまり有効ではない訳ですね。
逆に抗がん剤というのは当然副作用がありますので
その副作用だけが少し残ってしまう。
そういう危険性があるという事になります。
効かないのにしんどいだけというのは困りますよね。
逆にトリプルネガティブ型
抗がん剤がよく効きますがほかのものはあまりという事。
これはホルモン剤分子標的治療薬が効きませんので
効かない治療をやってもしょうがない訳ですね。
逆に抗がん剤は大変効果があるといわれています。
副作用に注意しながらこれをうまく使う事が
大変重要という事になる訳です。
乳がんのタイプに合わせた
無駄のない治療をやっていく事につながると。そのとおりです。