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認知症なら認知機能障害は仕方ない事

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沖田さんその後の瀧本さんの様子はいかがですか?
もう月野さんに「お金貸したでしょ?」って
言われなくなったそうです。あっそうですか。
笑顔で手を振って下さるそうで。そうですかよかったですね。
電話も減りました?ええ電話も減りました。
大変落ち着いておられるそうです。
ではですね適切なサポートをどう進めていけばいいのか
具体的な考え方について教えて下さい。
私たちサポートする時の一つの考え方として
パーソン・センタード・ケアという
その人らしさ中心のケアという事を考えています。
これは先ほどの認知機能障害。
これは認知症だったらしかたない事ですよね。
でも行動心理症状というのは
いろいろできなくなった事のために出てくる症状で
その中でその人らしさというものを
やっぱり失っているんじゃないかと思うんですね。
それでその人らしさというのをどういうふうに考えていくか。
その時の手がかりがご本人が何と言ってるかという事なんです。
瀧本さんの場合は何と言っていたかというと
一つは「お金貸したでしょ」と言っていましたね。
この言葉の意味をみんなで
先ほどのコンファレンスなんかで考えました。
その一つに考えられた事は…
独りでずっと暮らしてきたんだけれども
いろいろできなくなってきた事でより孤独感を感じている。
もう一つが…
これは細かい事は分からなくても
いろいろ不自由になってきてる事は
ご本人は分かっておられるので
そういう事がこの「お金貸したでしょ」という言葉から
予想できました。
もう一つスタッフの気付いた言葉がありました。
それは「働きたい」という言葉でした。
彼女はずっと働いておられた方なんですね。
この言葉からどういう事が考えられるかといいますと
一つに「役割を持ちたい」。
もう一つに…
私たちも働いてるから今お金が入って
それで生活できるという事がある訳です。
彼女もずっとそうやって生活してきたんですけど
それができなくなっていく事の不安というのが
ここにあったと思ってご本人が何かお仕事と思えるような事を
提供したというような工夫で
大変落ち着かれたんだと思います。
更にもう一つ困った事が出てきたんですね。
こういう事が解決してきましたら
デイサービスでお風呂に入ってほしいと思ったんですけど
実は「お風呂はちょっと嫌だ」と言われたんですね。
どうしてだと思います?
どうしてお風呂入るの嫌だってなったと思います?
嫌いなんじゃないですか?お風呂を?
違うのかな。どういう事なんだろう。
実は彼女はお化粧をとらなきゃいけないから嫌だって。
お化粧が落ちちゃうから嫌だという事があったそうです。
言葉だけで「お風呂いいです」って言われてたのを
「お化粧が落ちてしまうから嫌だ」っていうところまで
分かった事で「お化粧品ありますので」というふうに
提供させて頂いて
それでお風呂に入れるようになったそうです。
ホントは何を言いたいのか探るっていうね。
女性心ですよね。大切な事なんですね。