この部分の血管というのはろ過のために、大変薄くもろくなっているんです。
ですから血圧が高くなりますと、破れてしまって、本来は尿にはないたんぱく質が、混じるようになってしまうんです。
更に渡辺さんの研究では、この漏れ出したたんぱく質の量が増えるほど、心筋梗塞や狭心症などの病気が増える事も分かってきました。
今後研究がどう生かされるのか渡辺さんはこう話しています。
渡辺さんはもっと簡単に尿の異常が測定できるように、研究を進めているという事です。
こうした研究について柏原さんいかがですか?
この尿が出来る糸球体という血管なんですが、脳卒中の原因となるような頭の血管や、心筋梗塞の原因となるような心臓の血管、それと同じような位置関係にある血管なんですね。
ですからそこから漏れてくるたんぱくというのは、私どもの体の中の非常に大事な血管の障害を、よく表してるという事になるかと思います。
ほかのいろんなところに、そういう細い血管というのがある訳ですか?
そうですね。
決してこれは腎臓の障害だけを表すのではなくて、全身の非常に大事な血管の障害を、反映している可能性があるという事です。
画像検査ではなかなか見つかりにくいような事も、分かるようになりますかね?
そうですね。
検尿って本当に尿を採るだけの検査で、痛みもありませんし本当に簡単にできる検査なんですが、実は情報量が非常に多くて非常に有用な検査だという事です。
皆さんからのご質問にお答えしておりますが、それでは次のご質問にいきましょうか。
65歳男性からです。
「私の友人は副腎に良性腫瘍が出来、そのため血圧が下がりません。手術もできないとの事です。治療法はありますか?」
これは気になりますが伊藤さんどうでしょう?
これは恐らく原発性アルドステロン症という病気だと思うんですね。
いろんなタイプが分かると申しましたけれども、そういったホルモンの検査をする事で、この病気がよく見つかるようになってきました。
今高血圧といわれる方の10人に1人から20人に1人は、この病気ではないかといわれているんですね。
どういうものなんですか?
これは副腎というところから、アルドステロンというホルモンが出るんですけれども、これは体の中に塩分をため込もうとするホルモンなんですね。
一つはこの副腎に腫瘍が出来まして、そこからこのホルモンがたくさん出る。
もう一つは両方の副腎からまだ原因が分からないんですが、やはりこのアルドステロンというホルモンがたくさん出るという病態ですね。
そう致しますと普通に食塩をとっていても、たくさん食塩をとってしまったような形になって、パンパン型の高血圧になってしまうという事なんですね。