そして肝臓を軟らかくして、時計の針を元に戻すような状態にして、再生能力をまた引き出す事が可能となってきています。
線維化した硬いところが無くなってくれると、肝臓は再生力を取り戻す訳ですね。
これは海外でも広がっていっていますし、我々もっと改良した方法も現在進めているところです。
これは広く普及しますと、患者にとっては希望が持てる治療法ですね。
ではこの肝硬変の方が日常生活の中で注意する事は、どんな事でしょうか?
日常の事で言いますとやはり食事ですね。
腹水やむくみのある方であれば減塩食にして頂く。
そして先ほど言いました肝性脳症は、便秘になるとすごく起こりやすいので、食物繊維をたくさんとって頂いて便秘を防いで頂く。
便をスムーズに出さないと体の中のアンモニアが増えていく。
もう一つは特殊なBCAAというバリンイソロイシンといったアミノ酸を、肝硬変になるとたくさん消費しますので、それを補給する薬もございます。
それともう一つ大事な事は肝硬変の患者さんでは、肝臓ではグリコーゲンというエネルギーを貯蔵する訳ですけれども、肝硬変の患者さんが朝起きた時に健常者の方では、3日間絶食したような状態飢餓状態に陥ってる訳ですね。
肝臓に栄養素をためておく事はできないからですね。
寝ている間にエネルギーが枯渇している事がありますので、寝る前に200kcal程度の特殊なアミノ酸を含んだ、肝不全栄養剤というものがありますから、そういったものを今は服用して頂いています。
寝る直前にエネルギーを補給する。
健康な方とは逆ですね。
普通はやってはいけない事なんですけれども、肝硬変の場合は余力がないのでエネルギー不足を解消するために、寝る前に少し補給してやるという事ですね。
4日間お話を伺ってまいりましたが、最後にメッセージをお願い致します。
肝臓は沈黙の臓器といわれていますので、気が付いた時にはかなり進行している事が多いと。
ですから是非一度は血液検査を受けて頂きたいという事が、一つ大きな点であります。
もう一つは肝臓病といえば安静が常識だったと思いますが、筋肉は最近第2の肝臓といわれるぐらい、アンモニアを代謝したりそういった事もしますので、適度な運動は是非して頂いて、筋肉が落ちる事を防いで頂く事が肝要かと思います。