特に皆さん誤解されているのは、例えば肺に60グレイかけておなかに60グレイかけるというと、全体で120ぐらいかけたとお考えになると思いますが、放射線は局所療法ですから局所がある線量を超えなければ、全く問題ないという事になります。
ではその足し合わせた結果体全体が、大きなダメージを受けるという心配はしなくていい訳ですね。
ここまでBさんの疑問いろいろ見てきましたけれども、もう一度放射線治療の2つの役割見ていきましょう。
もう一つ対症治療というものがありました。
これも具体的に教えて頂けますか?
対症治療にはここに書きましたように3つあります。
1つは圧迫の除去という事でがんによって、気管や血管や尿管が圧迫されて機能が無くなっている時に、がんを小さくしてあげる事により血管が開通したりとか、呼吸が楽になったという圧迫の除去という問題と、特に痛みの場合には骨転移が多いのですが、神経を圧迫しているのをがんを小さくしてあげる事で、痛みを除去してあげるという事ですね。
あとは腫瘍から出血している時には、なかなか縫い合わせる事ができませんので、放射線によってがんを小さくしてあげる事によって、出血を止めるという効果も放射線にはある訳です。
がんの痛みを取るという事でいいますと、モルヒネなどの医療用麻薬もよく使われますけれども、それとの違いはどういう事でしょう?
医療用麻薬の場合には原因を取り除くのではなくて、痛みを感じさせなくしているというだけなんですけれども、放射線治療の場合にはもっと積極的で、痛みの原因となっているがんを小さくしてあげる事によって、痛みを取る事が機序になっている訳です。
骨転移の痛みを取る新しい治療があるという事を聞きましたが、いかがですか?
放射線治療の場合には、外からかける場合には局所療法ですから、何か所もいちどきにかける訳にはいきませんので、今行われるようになったのは、ストロンチウム89という放射性物質を血管に入れて、ストロンチウムはカルシウムと同じような所に集まりますので、がんの転移のある骨に集まって、痛みを取る事が可能になった訳です。
最後に伺いたい事ですが、がん治療の選択肢としての放射線治療、放射線治療にも副作用がある事は今まで話してきたとおりですが、がんの治療には放射線だけではなくて、当然リスクとベネフィットがあります。
ただ放射線治療の場合には、臓器温存機能温存という、手術と比べると非常に大きなメリットがありますので、放射線治療に前向きに取り組んで頂ければと思います。